立川志の輔による創作落語が原作となっているという事を聞き、この「歓喜の歌 」という映画に興味を持った。創作落語といえば、社会の動向に機敏に反応した風刺性の濃いものというイメージがあるが、実際これを映画にするとなるとどんなイメージになるのか?
舞台となるのは、とある町の文化会館。師走の準備に追われる文化会館の主任と職員の加藤は、大晦日に行われるママさんコーラスの演奏会がダブルブッキングになっている事に気付く、1年前から忙しい生活の合間をぬって練習を重ねていた主婦達は、とうてい納得する事はできない。間に挟まれ苦しい立場の主任。あきらめたくない主婦達。合同で演奏会を開くという案が出てくるも、解決しなくては行けない問題は山積みだった。
このような背景で浮かび上がってくるのが、社会性。家族という小さな社会が核になって協調と努力が生まれていく。実際、ここまでお粗末な事が起こることはまれだと思うが、そこに暮らす人々が協力しあって一つの事を達成するという人の力の大切さみたいなものを感じさせてくれる。そんな心温まる作品であった。(★★★☆)