sonona
親が子供に名前をつけること。そこには、生まれてきた子供に対する愛情と成長への願いが託される。その普遍的な内容をテーマにした作品が「その名にちなんで 」だ。
主人公のアシュケは旅行中に久しくなった老人から「海外に出て経験を積め」とアドバイスを受ける。その直後列車自己が起こるが、手に握りしめていた紙が目印となり救出され九死に一生を得る。そのとき手に握りしめていた紙がゴゴールの小説「外套」であった。そして生かされたきっかけとなったこのゴーゴリの名を生まれてくる自分の子供につけるのである。
この映画の舞台はインドと米国であり、その文化の違いに翻弄されながら生きていく家族を映し出す。自由の国の米国では名前を変える事ができ、息子のゴーゴリは名前を変える事を決意するが、その後彼が父親が名前をつけた本当の理由を知るとき、初めてこの世に生きている父と自分の存在を実感する。

この世に「生」を受けて存在している事とは何なのか、名前とはなんなのか。この映画はとてもわかりやすい形でこの事を教えてくれる。
生を感じさせるインド式の結婚式やインド式の葬式などもとても印象的。(★★★★☆)

ジュンパ・ラヒリ, 小川 高義
その名にちなんで (新潮文庫 ラ 16-2)