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映画『長江哀歌 』は1993年に着工が始まった長江の三峡ダム建設を背景に、変わりゆく時代とその中で生きる人々の生活をドキュメントタッチで描いた秀作である。この作品は古来より中国人には欠かせないキーワードである烟(タバコ)、酒、茶、糖(アメ)で4つのパートに分けられているのであるが、大きな物語は二つ。一つは妻に逃げられた夫が16年ぶりに妻探す物語。もう一つは逆に出稼ぎの夫から2年間音信不通になってる妻が夫を捜す物語。いづれも時代が変わっても変わらない大切であった人の記憶が描かれており、時代の変化とのギャップが哀愁をさそう。物語は全体的に単調なペースで進むが、シーンシーンで映し出されるノスタルジーを感じさせる小物や、破壊されていく町並み、疲れ切った労働者の姿が苦悩の時の流れを感じさせ、なんだか切ない。(★★★☆)
(2006年ベネチア国際映画祭金獅子賞グランプリ作品)