ジブリ作品の背景画で有名な男鹿和雄の展覧会 に行ってきた。アニメの背景画は、舞台や映画のセットと同じでどちらかというと裏方的な存在なのであるが、今回彼の背景画の数々を見てそのすばらしさと奥の深さに感銘を受けた。一見しただけではとてもきれいな絵だなあ、ですんでしまうのであろうが、作品を順番にみていくうちにいろいろな事に気付かされる。まず、背景画で最も大切なのは、場面の空気間や雰囲気であると思うのだが、それを表現するための光と色の表現技巧が際だっている。つまり背景をみただけで、季節、時刻、天気、時代などが想像でき、物語の設定が一目でわかるように描かれているのだ。次に定点表現。同じ場所で朝、昼、晩などの状況が異なる背景を描く。影の長さ、色温度の差を表現した微妙な色使いでその状況を作りだすのだが、どうしてこんなにリアルに描けるのが不思議なくらい見事だ。
さらには映像になる事を意識してか、レンズの種類や絞り、パンなどカメラを通してのみ見ることができる立体的な表現まで意識して描かれていた。