私は大学在学中にこの「電通鬼十則」にであった。私のゼミの恩師からだった。広告論を専攻していた学生の私にとって、原理原則が書かれた十則というもはそのときはピンとこなかったが、社会人になり、多くの仕事をこなしてきた今あらためてこの「電通鬼十則」を見るとその哲学的な奥深さを強く感じる。
この十則は1954年電通第四代社長、吉田秀雄氏が阪急の創始者、小林一三社長の求めに応じたものであるが、現在では日本の多くの企業が、この十則がビジネスマンの指針として活用している。
私もそのひとりであるが、時あるごとにこの十則に立ち返って、自己反省することも少なくない。
最近この「電通鬼十則」が再び話題になり、いくつかの本が出版されている。
終身雇用体制が崩れ、真の意味で個々のビジネスマンとしての資質が問われるようになった今だからこそこういった原理原則が見直されるようになってきたのであろう。
■電通鬼十則
一、仕事は自ら創るべきで与えられるべきでない
二、仕事とは先手先手と働きかけて行くことで受け身でやるものではない
三、大きな仕事と取り組め、小さな仕事は己を小さくする
四、難しい仕事を狙え そしてそれを成し遂げる所に進歩がある
五、取り組んだら放すな殺されても放すな目的完遂までは
六、周囲を引き摺り廻せ 引き摺るのと引き摺られるのとでは永い間に天地の開きが出る
七、計画をもて 長期の計画を持って居れば忍耐と工夫とそして正しい努力と希望が生まれる
八、自信をもて 自信がないから君の仕事には迫力も粘りもそして厚みすらがない
九、頭は常に全回転 八方に気を配って一分の隙もあってはならなぬ サービスとはそのようなものだ
十、摩擦を怖れるな 摩擦は進歩の母 積極の肥料だ でないと君は卑屈未練になる
