『腑抜けども悲しみの愛を見せろ
』は本谷有希子原作のブラックな家族物語だ。物語の中心になるのが、佐藤江梨子演じる長女の澄伽で、彼女のわがまま放題が家庭を複雑な状況にする。澄香は売れない三流女優。売れない理由を家族のせいにして家族をひきずりまわす。
特に妹、清深に対しての虐待は激しく陰湿なもので、これに対する妹の静かな反逆がたまらなくおもしろい。物語のテンポもよく、最後まで楽しく見られた。なんといってもサトエリの存在感(はまり役)が大きいのであるが、脇を固める、兄嫁役の永作博美や長男役の永瀬正敏らの熱演が、物語を単なるブラックコメディではない見応えのある作品にしている。
少し前まではゆる~い映画がちょっとしたブームであったが、そのときと同じような新しい作風の波をこの作品で感じた。(★★★★)
