舞台は1974年金沢、叶家と東野家の天女伝説にまつわる因縁劇が吉祥天女
だ。主人公の叶小夜子を演じるのは鈴木杏。今回の役どころは天女の血筋を持つ妖艶な女性の役、どちらかというと快活で健康的なイメージの高い鈴木杏がどこまで、妖艶な演技を演じるかが一つの見所だったが、これが思いのほか良く、なかなかのものであった。家と家との因縁劇的なところから全体の印象としては横溝正史シリーズのような感じを受けたが、主人公が第三者の探偵ではなく叶小夜子、本人であるところがおもしろい。小夜子にからむキャストもよく考えられていて、友人の麻位由似子(本仮谷ユイカ)と対立する東野家の跡継ぎ暁の弟涼は同級生であり、ユイカの姉は叶家の歴史と家宝を研究している。(彼女が天女伝説の案内役を勤める形になっている。)
「『天女の衣』にふれた女性は幸せになるが、一方、これに触れた男には祟りがある…。」この天女伝説の運命から解き放たれようとする小夜子であるが…。(★★★)
- 吉田 秋生
- 吉祥天女 (1)