airuke
「あなたは、死にたくなるほど、人を愛した事があるんですか?」という衝撃的な台詞が印象に残るこの物語は、自分を殺してほしいと願う女とそれに応えた男の話の純愛物語であり、その奥底にあるテーマは究極的だ。現実にここまでいってしまう事は考えがたいが、ふたりの主人公の心情に感情移入することは比較的容易なのではないかと思う。
物語はこの法廷での審議を中心に男と女の愛の姿を浮き彫りにしていく。運命的なで出会いから不倫・密会へ、微妙な距離感がみているものに一種独特の緊張感をあたえる。

ストーリー展開のおもしろさもさることながら、この映画のもうひとつの見所として、俳優陣の演技がある。主人公の二人には映画「やわらかい生活 」で競演した寺島しのぶと豊川悦司。恋愛で悩む検事役に長谷川京子、そして冬香の母親役で寺島しのぶの実母である富司純子をキャスティングしている。
主人公二人の演技はもちろんであるが、長谷川京子の熱演にも注目してほしい。
(★★★)

◎愛の流刑地

渡辺 淳一
愛の流刑地〈上〉