「麦の穂をゆらす風 」は1920年、アイルランドで起こったアイルランド革命を題材にした物語だ。私は特にあまり予備知識もなく見てしまったが、これからご覧になるかたはある程度ホームページでアイルランドの歴史 をチェックしておくとよいと思う。
私がこの作品で最も心をいためたのは、独立への戦い以上に同じ仲間同士で戦いあう内戦の悲劇だ。幼なじみを裏切り者として処刑し、身内にその事を報告しその墓へ案内するというような、考えられないような悲劇が起こる。
映画の中で「何のために戦うか」という問いには答えられるが、「誰のために戦うか」という問いに答えられるか?という問いかけがある。まさにこの問いかけが本作品のテーマであり、アイルランド革命で起こる正義のための矛盾と悲劇を表している台詞であると思う。
この作品、救われないままエンディングを迎えるが、とにかく重く、社会性と人間の尊厳の問題について強烈に考えさせられる映画だ。(★★★★)