山田洋二監督の「武士の一分 」を鑑賞した。ご存じのように、この作品は藤沢周平原作の映画化第三弾となる時代劇である。今回の設定は藩毒味役の侍、三村(木村拓哉)が毒にあたり、失明てしまった後。妻の愛と卑劣な上士へのまさに武士の一分をかけた、男の再生の物語である。
たそがれ清兵衛では「親と娘の絆」を、隠し剣鬼の爪では「身分の違う男女の純愛」を、そして今回「武士としてのプライドと夫婦の絆」がテーマになっている。これら山田洋二監督の藤沢周平作品に共通して言えるのは、すべて藩主に仕える武士であり、封建社会の中でそれぞれ武士として生きることの誇りが取り上げられているように思う。
そして今作品は武士の絶対に譲れないプライドがもっとも表にでており、三作目にふさわしい作品ではなかったかと思う。
キャスティングもよく主演の木村拓哉の熱演、妻加代役の檀れいの献身的な演技、召使い徳米平役の笹野高史の熟年の演技がそれぞれの設定の中でよく生かされていた。
正直、今回キムタクがどこまで主役を演じきれるか疑問であったが、失明してからの演技はなかなかのものであった。お薦めです。(★★★★☆)
- 藤沢 周平
- 隠し剣孤影抄