映画ミュンヘンをみていて絶えず連想し、関連づけていた物語がある。手塚治虫晩年の作品『アドルフに告ぐ 』だ、この作品は大人向けコミックとして発売され、その内容の深さに多くの大人のファンを獲得したリアスな大河ドラマである。物語は 第二次世界大戦当時の日本とドイツを舞台に、アドルフという名前をもつ3人の男がたどった運命を描いたものであるが、ここで描かれているのも『正義とはなにか』という問題。『社会と個人』の問題であったように思う。正義は別の立場から見れば悪になる場合があるという点、そして正義の為に戦う事とはなんなのかを考えさせられる。
この作品の主な舞台は第二次世界対戦から中東戦争あたりまでで、歴史的にはミュンヘン事件の以前の物語である。映画ミュンヘンを見たかたは、こちらを合わせて読まれるとよりいっそう興味が深まるのではないだろうか。

手塚 治虫
アドルフに告ぐ (1)