泣ける小説というとやはり村山由佳の「天使の卵」が上げられるが、それ以外に泣けた小説を上げるとすると、乙一の「平面いぬ」の中の「BLUE」という短編をあげたい。この物語の主人公はただのぬいぐるみなのであるが、なんでこれが泣けるのかというと、このキャラクターに純粋無垢な心が宿っているからである。乙一ならではの物語の設定、動物ものにも似たこの感動。他の乙一作品とはひと味ちがったメルヘンチックな作品だ。私は電車の中でこの物語に感情移入し、不覚にも涙を流してしまった。
乙一
平面いぬ。