人は、一度巡り合った人と二度と別れることはできない——。
愛する人が死を前にしたとき、あなたは何ができますか?

これは
大崎善生の「パイロットフィッシュ」と「アジアンタムブルー」のテーマだ。
彼の作品には人との出会いと、出会いによって生じる人生のすばらしさを感じる。
この二つの作品は登場人物やシチュエーションがだぶっている。
私は続けて読んだので、少し妙な気もしたが、作品としては別物だ。
これらの二つのテーマはともに読者への問題提起と著者なりの見解が語られている。
出会いとわかれ、人間愛。切なくけどなぜか心が温まる。

<パイロットフィッシュ>
水槽の新規立ち上げ時など、水質が安定しているか、または魚を飼育する環境となっているか、確認するためにとりあえず泳がせてみる魚のこと。テスト・フィッシュとも言う。
<アジアンタムブルー>
アジアンタムはシダに近い趣のある植物で、育てるのが難しく、うまく育てないと少しずつ茶色くなって葉がちりちりと丸まって枯れてしまう。このような不安定な状態をアジアンタム憂鬱「アジアンタムブルー」という。 
大崎 善生
パイロットフィッシュ
大崎 善生
アジアンタムブルー