記憶に残るスポーツ名勝負と言われて、即座に思い起こすシーンがある。1992年F1モナコグランプリのアイルトン・セナとナイジェル・マンセルのバトルだ。この年はマンセルのウィリアムズが開幕5連勝で前年度チャンピオンのセナのマクラーレンは苦戦していた。ご存じのようにモナコグランプリは歴史が古く、市街地コースということもあってドライバーの間でも特別思い入れが強くなるレースである。マンセルはモナコでの優勝経験がなく、ポールポジションを獲得したこの年はなんとしても優勝したいレースだったに違いない。
マンセルはトップを独走し優勝はほぼ間違いないと思えた。ところが残り8週セナに28秒の大差をつけて独走していたマンセルのマシンに異変がおきピットイン。その間にセナが5秒の差をつけてトップに立った。
そしてここからF1史上に残る世紀のバトルが始まる。周回毎にマンセルはセナに詰め寄る。残り3週セナの背後にマンセルが付く。ブルーフラッグが振られる。明らかにマンセルの車のほうが速い、セナはブロック絶対に抜かせない。テール・トゥ・ノーズとはまさしくこのことを指すのだろう。見た目30cmぐらいの間隔での高速バトル。興奮した。お互いの腕を信じているからこそできる攻防。結局セナがマンセルを押さえきり優勝する。レース終了後、マンセルは極限の緊張と疲労で一人で立つこともできない状態になっていた。
これぞ真のモータースポーツ。伝統と格式のモナコグランプリ第50回記念大会にふさわしいレースであった。
ちなみに、ゴールの時振られるチェッカーフラッグはモナコが発祥。
- ジェネオン エンタテインメント
- F1レジェンド ドライバーズアイズ ’91-’92