夏の蝉の鳴き声のように、心にしみてくる。そんな映画です。映画「村の写真集 」は美しい自然が今なお豊かに残る徳島県の片田舎を舞台に、一軒の写真館の家族を通して描かれる日本情緒あふれる人間ドラマだ。
ダムに沈もうとしている花谷村という村がある。そんな村の美しさを永遠に残すため、村のすべての家族を撮った写真集をつくろうという話が持ち上がる。そしてその撮影の依頼を受けたのが村の写真館の高橋研一と、東京で写真家を目指すその息子、孝であった。
親子の関係はさめきっているが、村で生活する人々の写真を自分たちの足で歩いて撮影していく中で、親子の絆と親が子に伝えたかった事が、写真を現像するように浮かび上がってくる。
物語は淡々を進むが、その映像は日本人である私の心にしみて、なんとも言い難い感動を呼び起こす。
写真監修は写真家の立木義浩 。ノスタルジックな日本の映像に藤竜也はじめ個性派俳優の名演がみごとに結実したすばらしい作品だ。今のところ今年の邦画No1です。(★★★★☆)
※上海国際映画祭で最優秀作品賞と最優秀男優賞を受賞