トニー滝谷 は村上春樹氏の小説を市川準監督が映画化した作品だ。この作品はトニー滝谷という孤独な人間の半生を描いたもので、トニー滝谷役のイッセー緒方 とその妻とアシスタント役の宮沢りえによる二人の芝居を、西島秀樹のナレーションで綴った小説の朗読のような作品だ。見所はやはりこの二人の演技と、淡々とした時間の流れをナレーションと映像表現で美しくまとめているところだと思う。空虚感を表現したスペースの広いローアングル、時間を表現した左から右へのワイプ、そして坂本龍一 の音楽、とてもアーティスティックな印象をうけた。
映像作品としては気に入ったが、映画としてはサイドストーリー的なものがあまりなかったせいか、少し物足りなさを感じた。まだ見ていないが、以外とメイキングドキュメント「晴れた家」の方がよかったりして。(★★★☆☆)