芸術っていったい何なのだろうと時々思うことがある。そんな疑問に答えてくれたテレビ番組を偶然見た。千住兄弟の長男千住博氏がゲストで出演していた愛知万博関連の番組だ。その中で千住氏は芸術について次のように述べていた。「芸術を一言でいうとコミュニケーションである」。つまり芸術とはイマジネーションの表現であるが、それだけでは芸術にならなず、それを受け取る側の存在が必要であり、表現する側と受け取る側のコミュニケーションこそが芸術というのである。確かにそのとおりだ。音楽にしてもアートにしても料理にしてもすべて表現者の向こう側には受け手があり、表現者は自分のイマジネーションの受け手を知らず知らずのうちに想定している事が多いように思う。小説家は読者を意識するだろうし、料理人は料理を食べる客を意識する。まったくすばらしい定義づけだ。表現したものが上手だろうが、下手であろうが、そこにイマジネーションによるコミュニケーションが成り立てば芸術になるのである。そしてそれこそが、創造することができる唯一の動物である人間のもっとも豊かな生き方ではないかと思うのである。