荒れた掌の切り傷の治癒の薬で
疲れた頭が治ればいいのにと思う
例えば焼けた鉄を見せた後
目隠しをして冷たい鉄を押し付ける
被験者は錯覚で火傷を起こすらしい
火傷の痛みはすぐに忘れる
しかし傷跡は残るだろう
押し付けられた傷跡が
世界はそんな曖昧な観念で構築される
という曖昧な観念が理論を作る
そのことに意味などあるのか
視覚に引き起こされる錯覚
錯綜の継続による迷走
既視によるズレが生む錯視
光と闇により浮き彫りになる
いずれにも分別できぬ中庸
俺の痛みも結局は錯覚なのだ
ということも錯覚だということ
世界は否認出来ない
それ自体錯覚に過ぎないのだから