ミーガン(2023) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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 ミーガン(2023)

 

巷では割と評判が高かった、ジェラード・ジョンストン監督によるSFホラー作品ですが、私にはあまりにも既視感が強く、のめりこめない作品でした。

 

高度に発達した人工知能が人間に反乱を起こすというテーマは、キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』をはじめ、散々見せられているし、人形ホラーという点でも、先日アップした『マジック』『チャイルドプレイ』など、枚挙に遑がない。

人間とほとんど変わらない姿かたちの人形(アンドロイド)が人間を襲ってくるのは『ウエストワールド』などでおなじみ。

 

やりつくされた感のこのテーマを、最新の特殊技術でどれだけみせてくれるのかということに着目ということになるのですが、確かにその動きなどはミーガン人形はよくできている。

しかし、狙いかもしれないが、よく出来すぎていて、ホラー感を感じることができないのだ。

 

両親の死をきっかけに、少女の遊び相手として科学者の叔母から贈られたアンドロイド・ミーガン。

序盤で、その制作にいったん失敗していたと思うのだが、なぜかあっという間に少女のもとに贈られる。

このあたりが雑かな。

 

ミーガンに電源が入り動き始める最初の場面は、手塚治虫先生の『鉄腕アトム』のようで微笑ましいのだが。

 

ミーガンは少女のボディーガードとしてどんどん進化していき、中盤を超えたあたりからいよいよ暴走を始めるのだが、ここからの展開はどうしてもジェームス・キャメロンの『ターミネーター』を連想してしまう。

 

ミーガンの開発者である叔母とミーガンとの心理戦など、盛り上がりそうになるのだが、盛り上がりきるところまでいかず肩透かしを食らうことも多い。直線的に迫力が盛り上がらないのは監督の演出力の弱さか。

 

そして、クライマックスでは、なんとこれまたキャメロン監督の『エイリアン2』になってしまうのだから面食らう!

少なくともここまでは、かろうじて怪奇ムードを保っていたのに!

 

ここで思った。

なるほど、本作品は、こういった作品へのオマージュとして鑑賞すればいいのか。書きながら今理解しました。

 

AIに支配される生活を皮肉るラストシーンはちょっといいですね。

 

 

 

 

『ミーガン』M3GAN(2023)米

ジェラード・ジョンストン監督 102分

2023年(令和5年)6月日本公開