家電量販店の社員だったころ・・・ | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

およそ30年くらいまで、私は関西資本の大手家電量販店の社員として働いていました。

 

そのころ、今頃の晩秋から初冬に変わる季節が大好きでした。

 

秋からクリスマス仕様に店頭のディスプレイを変える作業が大好きだったのです。

 

VTRやテレビなどの映像商品の担当をしていた私は、季節感を出しながら購買意欲をあおるPOPやプライスカードをせっせと作っていました。

 

その頃はすべて手書き。

筆とポスターカラーを使って、大変でしたが楽しかったです。

マジックペンなど使いません。

 

売り場担当のセンスが問われる仕事で、ディスプレイで売り上げが大きく変わることがありました。

 

冬のボーナス商戦の主力商品だったため、本当に力を入れていました。

家庭用ビデオデッキがいよいよ本格普及しようとしていたころ。

音質がHi-Fiになり、画質もS-VHSなど高画質化していき、

『紅白歌合戦までにお届けします』をキャッチコピーにしていました。

 

各店の担当者のセンスで手作りしていたので、同じ会社でも店によって全然雰囲気が違い、より良い売り場にするためにライバル心を持ちながら他店の視察などをしていたものです。

 

他業種では、カー用品大手オートバックスのディスプレイなどを参考にさせていただきました。

プライスカードの独特のフォントを真似ていました。

(もちろん手書き)

 

でも、今の家電量販店は本部ですべてプライスカードやPOPなどが用意されていて、さらに配置まで細かく指示されているようでどの店に行っても同じ顔をしていてつまらなくなりました。

店による個性が全くなくて、商品担当者も面白くないだろうなあと思います。

本当にただの売り子さん。

 

まあ、展示替えの時などは商品担当者が監督みたいな役になるため、残業等が増えて今の時代に合わないのかな。

やりがいはありましたけどね、今の時代には合わないのかな。

 

今でも手書きでセンスのあるPOPを街で見かけたりすると、なんだかうれしくなってしまう自分がいます。