O嬢の物語(1975)
ポルノ小説の名作と名高い、ポーリーヌ・レアージュの原作を、『エマニエル夫人』(1974)の、ジュスト・ジャカン監督で映画化。
双葉十三郎先生も仰っておられましたが、70年代はポルノの時代だったのだなあとつくづく思いますね。
恋人に連れられてある屋敷に連れられる女性、O(コリンヌ・クレリー)。Oは恋人との愛の証として彼に言われることはどんなことでも絶対服従する。
男の方も、自分の愛を確信するために、Oを他の男に抱かせるのだが・・・
Oが鞭打たれたりするシーンも多く、SM的要素もたっぷりな本編。
途中、訳が分からなくなるシーンもありましたが、結構お気に入りの女優さんである、コリンヌ・クレリーが美しく撮られていました。
この撮影の時にはもうすでにお子さんをお一人産んでいらっしゃったといいます。
本当にお美しい女優さんで、『007/ムーンレイカー』(1979)では、ボンドガールの一人を演じました。
ソフトフォーカスを多用した美しい森の風景なども悪くなく、時代背景がわからないけど中世的な雰囲気も醸し出していて、ただ“ヤル”だけで、性欲を煽るようなポルノ作品とは一線を画していると思いましたね。
ヨーロッパ映画らしいなと。
『エマニエル夫人』より断然こちらの方が私は好きです。
でも、
ポルノ=卑猥でガサツとお考えになる方は観ない方がいいです。
『O嬢の物語』(1975)Histoire d'O(仏)
ジュスト・ジャカン監督 105分
1976年3月日本公開