尊敬する映画評論家の双葉十三郎先生の集大成である『僕の採点表』。
映画雑誌「スクリーン」に好評連載されていた記事を年代別に見やすく纏めている文化資料としても価値の高い書籍です。
まさにA級からZ級までどんな作品でも偏見をもつことなく評論。
その文章もビギナーからマニアまで納得させる根拠のある評論で、特に最後の一文に記されるユーモアのセンスにはいつもニッコリしてしまいます。
採点方法は☆が20点★が５点という形で、具体的に数字で表さないことによって微妙なニュアンスを表しています。
作品の公開のほぼリアルタイムで書かれた評論は時代を汲み取っており、莫大な作品群はまさに映画史です。
双葉十三郎先生を越える映画評論家はおりません。
唯一無二の存在でした。
また、これだけの作品群をシリーズ化して本に纏めて頂いた編集の方々にも本当に感謝です。
９９歳でお亡くなりになられた先生。
2009年にお亡くなりになられる直前まで評論をされておられました。
今でも繰り返して読む本書は、
まさしく映画のバイブルです！