現在も亜流が作られ続けている“ゾンビ”もの。
そのデフォルトを創作したという点で、
ジョージ・A・ロメロか監督した本作は大きく評価されてもいいと思う。
田舎の一軒家に閉じ込めれられた人々。
どこからともなく集まってきて襲い掛かってくるゾンビ。
妙に詰め込み過ぎず、
この設定一本で押し通したことで、
モノクロスタンダードで作られた本作の方が、
1978年版の『ゾンビ』より恐怖感が高いと感じられた。
中盤、なかなか物語が進行せず、
イライラするところもありますが、
予想されていたこととはいえ、
地下室での少女がゾンビ化する場面は相当ショッキングです。
細かいサスペンスを積み重ねながら、
得体のしれないゾンビと対峙していく展開はサバイバルストーリーとなっている。
対立する人間模様や、
恋愛描写も必要最低限なのもプラス。
もちろん、
死肉をガブガブ喰らうシーンもキッチリと用意してある。
今観ると、
目新しさがないように思われるが、
制作当時(1968年)にはセンセーショナルな描写だっただろうと思う。
気に入ったのがラスト。
救いのひとかけらもなく絶望のみで終わるのが、
なんとも後味悪くてよかったですね。
何か社会風刺めいたことが込められていたのかもしれないが、
私にはわからないし、
分からない方が“ゾンビ”という不条理な生物(?)の存在価値が高まると思います。
低予算ながらもなかなか頑張っています!
ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド Night of the Living Dead
1968年(米) 96分
日本劇場未公開