批評家にも観客にも評判が良かったんですよね。
それもわかります。
とにかくあの手この手を使って観客を楽しませる。
古くはジョン・フォード監督の「駅馬車」(1939)から続く敵中突破パターン。
一難去ってまた一難。
敵の波状攻撃もバリエーション豊富で面白い。
長い棒を使っての波状攻撃なんてよく思いついたね。
このパターンの作品は、
攻略する障害が難しければ難しいほど面白いという鉄則を、
まさに教科書通りに描いてみせる。
核戦争後の荒廃した地球というのが背景になっているけれども、
説教臭くないところがいいね。
よくある設定だけれども、
登場人物の衣装や扮装など独創的なのもいい。
カスタムされた自動車の数々は映画史に残るでしょうね。
同じような作品や車が出てきたら、
「あ、怒りのデスロードに影響されてるな」
なんて必ず言われることになると思う。
そして陥りがちな甘っちょろい恋愛描写も最低限にして、
とことんアクションにこだわっているのも二重丸。
そして極め付けがカーアクション。
このド迫力に文句をつける人は、
私以上のひねくれ者。
大音量のアンプを積んでエレキギター弾きながら襲ってくるんだよ。
ドラムス隊を引き連れて。
こんな発想誰がする!
最初の「マッドマックス」(1979)を初めて劇場で観て衝撃を受けてから、
相当の年月が経ちましたが、
監督のジョージ・ミラーの熱量が衰えていないのに驚いた。
というより、
熱量増えてないかい!?
1作目は低予算で頑張ってたねえ。
愛すべき映画屋だよ、ジョージ・ミラー!
CGも違和感ないし、
パンクでいかれた作品です。
マッドマックス 怒りのデスロード MAD MAX: FURY ROAD(豪=米)2015
ジョージ・ミラー監督
120分