『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
原題:Once Upon a Time in Hollywood
2019年(米=英) クエンティン・タランティーノ監督作品
映画界の内幕を描いているということで、
毛色は全く違うがトリュフォーの『アメリカの夜』を連想してしまった。
テレビの人気俳優だったが映画ではイマイチ人気の出ない俳優リック(レオナルド・ディカプリオ)。
相棒でリック専属のスタントマンのクリフ(ブラッド・ピッド)。
落ち目の二人の住んでいる家の隣に、
『ローズマリーの赤ちゃん』のヒットで売れっ子になったロマン・ポランスキー監督とシャロン・テート夫妻が引っ越してきた・・・
シャロンテート事件を知らなければ、
この作品の面白さは70パーセントオフになってしますだろう。
今の若いファンはほとんど知らないんじゃないのかな。
ブルース・リーとクリフ役のブラット・ピッドがひと悶着を起こす場面が面白いし、スティーブマックイーン(なかなか本人に似ている)が、
名作『大脱走』のオファーを断ろうとした話なども面白い。
音楽の使い方も面白く、
舞台である1969年あたりのヒット曲(一部時代に合わないものがあるが)が物語のディテールづくりに効果を上げている。
クライマックスのクリフたちとヒッピー集団との闘いは壮絶。
後ろで見ていた女性は「怖い・・・」とつぶやいていた。
途中少しだれるところがありますが、
タランティーノのハリウッド愛を感じることはできました。
ワンちゃんの大活躍も見どころです。