女と男の観覧車 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

『女と男の観覧車』 原題:Wonder Wheel

2017年(米) ウディ・アレン監督作品

 

邦題から連想したのは、

アレンお得意のちょっとおしゃれなラブ・コメディを想像したんですが、

いやいや、

なんとも残酷な愛憎劇でした。

 

1950年代のコニー・アイランド。

遊園地の中に住んでいるジニーとハンプティ。

放火癖のあるジニーの連れ子リッチーも一緒に住んでいる。

 

そんなある日、

ギャングの男と駆け落ちしたために親子の縁を切られたハンプティの娘キャロライナが追われた身となってハンプティの元に戻ってくる。

 

平凡な暮らしをしていたジニーだったが、

このことをきっかけに次第に壊れていく・・・・

 

ジニーを演じているケイト・ウィンスレットげ熱演。

『タイタニック』の頃は大根(失礼・・・)だった彼女とは思えないです。

 

浮気相手との間のときめき、

若い男に対する憧れ、

若い義娘に対する嫉妬、

問題児の息子を心配する思いなど、

時に静かに、時に感情を爆発させて演じます。

 

かつて女優志願だった彼女が、

黄昏の中ドレスアップしていくシーンが哀れで、

まるで『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンを彷彿とさせた。

 

そんな残酷な物語なのに、

雨のシーンがとても切ない心情を演出する。

 

ラストの海岸で燃え盛る炎を見ているリッチーは、

炎の向こうに何を見ていたのだろう・・・