レイジング・ブル | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

レイジング・ブル』 原題:Raging Bull

1980年(米) マーチン・スコシージ(当時のパンフレットの表記)監督作品

 

久々に鑑賞しました。

初見は1981年3月6日、シネラマOS劇場でした。

 

実在の元プロボクシングミドル級チャンピオンジェイク・ラモッタの伝記を、タクシー・ドライバーのポール・シュレイダーらが脚色。

マーティン・スコセッシ監督、主演ロバート・デ・ニーロ。

印象的なモノクロ撮影はマイケル・チャップマン。

 

初見の時の感想は、

ずいぶん嫉妬深い嫌な男の物語だなあという印象でしたが、

再見すると全く印象が変わりました。

 

若い時にはただ嫌な奴としか感じなかったデ・ニーロ演じるジェイク・ラモッタに、今回はなんともいえない哀愁を感じたのです。

 

ほんの些細なほころびから、

チャンプの栄光から転げ落ちていき、

スタンダップ・コメディアンになっていくジェイク・ラモッタ。

 

マネージャーである弟や、

妻が自分の元から去っていく原因ともなったジェイクの病的な嫉妬深さは、その思いが一途な故に思いをうまく伝えることのできない不器用な男の愛情表現だったのだと思いました。

 

鑑別所の独房に入れられたジェイクは、

自らの額を壁にぶつけて嗚咽する。

でも、後悔している根本については理解していないし、

間違ったことをしたとも思っていない。

 

19歳のボクサー時代から、

老いてでっぷりと太るまで、

体重を25キロも増やしたデニーロ・アプローチはあまりにも有名ですね。

 

ボクシング映画のファイティングシーンでは、

何台かのカメラを同時に回して編集するのが普通なのですが、

本作は1台のカメラでファイティングシーンを撮っています。

 

特徴的な主人公の団子っ鼻のメークも全く違和感がない。

 

ちょっと話がそれましたが、

一人の男の栄光と転落を描いた本作。

改めて傑作だと感じました。

 

 

 

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