『空の大怪獣Q』 原題:The Winged Serpent、Q
1982年(米) ラリー・コーエン監督作品
これは、
日本の『空の大怪獣ラドン』(1956)や『モスラ』(1961)がいかに優れた特撮作品であるかということを再認識させてくれる作品です。
死の儀式によって現代ニューヨークのマンハッタンによみがえった怪獣が時々街に現れて人間を食べる。
太陽を背にして飛んでいるため、
正体がわからないという設定らしい。
この怪獣がビルの屋上に巣を作っていて、
それを見つけたぐうたらな小悪党が一儲けを考える。
デヴィッド・キャラダイン扮する刑事らが、
巣を急襲しそこにあった卵を殺す。
そこへ親鳥(?)の怪獣が戻ってきて・・・
低予算の帝王ラリー・コーエン監督らしく、
全編チープさが満載。
ちょっとだけエロとグロに力を入れているのもコーエン監督らしい。
でも、
やっぱり怪獣は街を破壊してくれないと物足りない。
せっかくニューヨークのマンハッタンが舞台なのだから。
人間をついばんでは放り投げる描写がしょぼい。
邪教がらみの部分は散漫でわかりにくく、
宝石店強盗の挿話も別に必要なかったんじゃ・・・
邪教の教祖みたいな人物が襲い掛かってくるシーンは、
クルーゾー監督の名作『悪魔のような女』(1955)を連想してしまい苦笑。
ニューヨークの空撮には、
やたら力を入れています。
別のところにあった卵が孵化し、
ギャーッと雄叫びがあがっての思わせぶりなラスト。
悔しいけどちょっとニヤリとしてしまった。
C級映画をおおらかな気持ちで観られる方のみおススメの作品です。
『アメリカン・グラフィティ』で、
純朴なテリー青年を振り回すデビー役だったキャンディ・クラークの顔が観れます。
遊びに来てね!