太陽の季節 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

太陽の季節

1956年(日) 古川卓己監督作品

 

芥川賞を受賞した石原慎太郎の短編小説の映画化です。

弟、石原裕次郎のデビュー作(端役ですが)でもあります。

 

裕福な大学生たちの無軌道な青春群像。

舞台は湘南。

南田洋子と長門裕之が主人公として物語は展開します。

 

拳闘部の部員である長門裕之は、

仲間らと一緒に女の子3人組をナンパ。

 

その中の南田洋子と長門は惹かれあい付き合うことになるが、

南田が本気で長門を愛そうとすればするほど、

長門は彼女を避けるようになり、

遂には・・・

 

小説が発表されたときは、

その物語の倫理観の欠如から、

賛否両論を巻き起こしたとのこと。

 

その過激さにおいて、

映画版の描写はおとなしめであるが、

それでも生々しい若者たちの生態を切り取っていて、

明るく爽やかないわゆる青春映画とは一線を画している。

 

この作品に登場する若者たちは、

時計仕掛けのオレンジ』(1971)のアレックスたちに共通するものを感じた。(僕だけかけかもしれませんが)

 

もちろん、

映画ならではの味わい深いシーンもあり、

シーズンオフとなったヨットを片付けるシーンなどは、

青春の終わりを告げているよう。

降りしきる雨が美しい。

 

衝撃的で唐突なラストシーン。

なかなかカッコいいっす。