紳士協定 | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

紳士協定』 原題:Gentleman's Agreement

1947年(米) エリア・カザン監督作品

 

アメリカ社会には、

黒人差別と同様に、

ユダヤ人差別も存在する。

 

本作品は、米映画界においてはじめてユダヤ人差別をテーマにに取り組んだ、

画期的な作品です。

 

ニューヨークの出版社の社長から連載の依頼を受けたグリーン(グレゴリー・ペック)。

内容は反ユダヤ主義について書いてほしいという。

 

編集長の姪のキャシー(ドロシー・マクガイア)の体験から思いついた企画で、グリーンは渋々引き受けた。

 

クリスチャンであるグリーンは、

いろいろ構想を練ってみるが、

どうも実感のある記事が書けない。

 

そんな時、

子供のころから同じような環境で育ったユダヤ人の友人デイヴ(ジョン・ガーフィルド)のことを思い出し、

自ら6週間ユダヤ人として生活することを思いつく。

 

グリーンは、

名前もグリーンヴァークという偽名を使い、

ユダヤ人として生活することになったのだが、

その日から周囲の人間の態度が豹変する。

 

病院、ホテル、子供の学校、

もちろん会社でもあからさまな差別を受けるようになり・・・

 

ウディ・アレンが、

自分がユダヤ人であることのコンプレックスをギャグにしているのが、

改めて凄いと感じられます。

 

ある“非開放”の高級ホテルでは、

受付で丁寧な態度で接していたホテルマンが、

グリーンがユダヤ人だと告白した瞬間態度を豹変させ、

ベルボーイが荷物を引き上げてしまいます。

 

ユダヤ人の中のユダヤ人差別にも踏み込んでいるのがこの作品のすごいところで、

ユダヤ人自体も、

自らの差別の傍観者となってしまう。

 

思いついたときだけ反差別を唱える、

似非リベラリストへの痛烈な批判もある。

 

そして、

『ただ見ているだけなら差別主義者と同じだ、

行動しなければ意味がない。』

という、キャシーのセリフでこの作品のテーマが明確に浮かび上がる。

 

1947年の制作ながら、

日本公開は1987年10月。

アメリカの差別意識をここまで抉り取った作品を占領下で公開するのは抵抗があったのだろう。

 

グリーンとキャシーの恋愛関係が急速に進みすぎるところにチョットだけ突っ込みたくなるが、

サスペンスの盛り上げ方も見事で、

正義漢グレゴリー・ペックの好演もさすがです。

 

ラスト近くの、アン(セレスト・ホルム)のグリーンに対する消え入りそうな声でのプロポーズは切なかったな。

(アンとはグリーンと同じ会社に勤める奔放な女性で、グリーンの良き理解者だった)

 

 

 

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