EUREKA(ユリイカ) | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

EUREKA(ユリイカ)

2000年(日) 青山真治監督作品

 

一部の批評家らから高評価を受けた青山真治監督のオリジナル作品。

 

バスジャック事件に遭遇した運転手沢井と乗客の小学生の女の子小梢と中学生の男の子直樹の兄弟二人。

 

3人はショックのため直樹は家出し、小梢と直樹の兄弟は、母親が家出し父親が死亡したこともあり、二人だけで丘の上に立つ洋館っぽい家に住んでいた。

 

直樹は兄夫婦の元に戻ってくるがどうも居心地が悪く、

二人だけで住んでいると聞いた直樹と小梢の家で一緒に住むことに。

 

そこに直樹と小梢のいとこの秋彦も一緒に住むことになり、

4人の奇妙な共同生活が始まる。

沢井は土木作業員として旧友の元で働くことになるが、

時期同じしくて、周囲で連続通り魔殺人事件が起こり・・・

 

映画はここから、

サスペンスドラマから、

沢井が中古バスを買ってきて4人で人生をリセットする旅に出るロード・ムーヴィーに変わります。

 

ほぼ全編セピア調の画面で展開する阿蘇を中心とした九州各地の風景が美しい。

 

演出方法は、

独特といってもいいほどの長回しで、

バスが発車してから彼方に消えるまでず~っとカメラで追っている。

この演出方法が効果を上げているかどうかというのは評価が分かれるところ。

 

運転手役の沢井を演じるのは役所広司。

相変わらずくどい雰囲気が僕は苦手で、

劇中ずっと咳込んでいるので、こちらも息苦しくなる。

 

小梢と直樹を演じるのは、

宮崎あおいと宮崎将の兄妹。

劇中ほとんどしゃべりません。

 

前半、

もったいつけた謎解きミステリーが中途半端になった感は否めないし、直樹の狂気が爆発するシーンも具体的描写がほしかった。

 

沢井側の家の事情も何かありそうで何もない。

突然別れた奥さん(国生さゆり)が出てきたりするが。

こちらも何もない。

 

沢井が、

何かしらの病気を抱えている設定なのですが、

その病気が進行して何かあるのかなと思って観ているとこれも何もないから肩透かし。

 

物語の展開はジム・ジャームッシュの影響を受けているように思われる。

ジャームッシュ監督のようなユーモアはないが。

 

きちんと切り取られた構図と、

セピア調の画面が美しいので217分の長編でもなんとか持っているという印象だが、もう少し短くてもよかったかな。

監督自身のオリジナルで脚本も自分で書いているから、

どのシーンも削るのが惜しかったのでしょう

 

特筆すべきは、

子役宮崎あおいの美少女ぶり。

 

 

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