『ベニスに死す』 原題: Death in Venice(英語)Morte a Venezia (イタリア語) Mort à Venise (フランス語)
1971年(伊) ルキノ・ヴィスコンティ監督作品
究極の『美』を追求する作品です。
同じイタリアの名監督フェデリコ・フェリーニが、
女性コンプレックスから女性を偶像的に描いたのに対して、
こちらヴィスコンティは男色的と言ってもいいほど、
男性を美しく描く。
同監督の『地獄に堕ちた勇者ども』や『ルードウィヒ・神々の黄昏』では、美しい男性たちが退廃的に描かれたが、
本作ではビョルン・アンドレセン演じる少年に絶対的な美を見つける。
20世紀初頭のヴェニスのリド島。
海水浴客でにぎわう同所に作曲家のダーク・ボガードが療養のためにやってくる。
『美とは創造できるものなのか』という彼の中の永遠の課題に少々苛立ちながら、海岸のベンチに横たわる。
そこで目にしたのが、
同じ海水浴場にきていた美少年ビョルン・アンドレセン。
初老の彼は、
その美しさに一瞬にして心奪われ、
胸が高まるのを感じた。
幾度か彼とすれ違うたび、
ボガードに恋愛感情ともいえるような感情が膨らんでいく。
しかし、
ボガードは一度も少年と言葉を交わすことなく、
夕日の海岸にたたずむ少年の姿に絶対の『美』を目に焼きつけながら、
流行り病のコレラにかかって死んでいく・・・
どの場面を切り取っても、
巨匠が描いた絵画のように凝りに凝った構図の画面が美しい。
美少年と言葉を交わすために、
美容院に行って化粧をしてもらい、
ポケットに花一輪をさして出かけるボガートの姿が哀しい。
その美しい画面にマーラーの交響曲が、
堂々たる風格に厚みを加える。
そして美少年、
ビョルン・アンドレセンの妖しい微笑みと中性的な魅力。
観終わった後、
言いようのない興奮と余韻が残る、
ヴィスコンティの傑作です。
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