『地上最強のカラテ』
1976年(日) 野村隆監督、他(ドキュメンタリー)
1973年の暮れに、
ブルース・リーの「燃えよドラゴン」が公開され、
日本でも爆発的に広まった格闘技(特にカラテ)ブーム。
そのブームに便乗して制作され、
良くも悪くもそのカラテブームを一服させた作品といえる。
極真カラテの総帥、
“ゴッドハンド”の異名を持つ大山倍達の呼びかけで行われる、
世界極真カラテ選手権大会。
ルールは顔面への殴打以外は、
すべてOKで、
異種格闘技(タイのムエタイや中国カンフーなど)の参加も認められ、
体重による階級分けもないオープン大会。
この試合の模様の合間に、
極真カラテを極めようとする男たちの鍛錬の様子が描かれる。
この鍛錬のシーンが実に痛そうで、
手刀で板を割るなんて技は序の口で、
数百度はあろうかという熱砂の中に指を突き入れたり、
頭ででっかい氷を割ったり、
頭突きで板に釘を打ち付けたり。
世界各地での極真カラテの普及ぶりを見せるのが目的のようで、
世界各国の道場には必ず大山倍達の肖像写真が飾られている。
十人組手という昇段試験に合格すると、
選手を称えて訓練生全員が拍手をして祝福する。
なんとなく新興宗教の雰囲気が感じられる。
そんな痛そうな鍛錬場面や、
試合場面が、
何のクライマックスもなく延々と続くので、
最後まで鑑賞するには相当の忍耐を要する。
違う意味で鍛錬をしているようである。
漫画・劇画原作者の梶原一騎念願の企画で、
ドキュメンタリーとはいえ、
極真カラテが世界最強の格闘技であることのPR映画でもある。
オープニングで流される、
ウィリー・ウィリアムスと熊との闘いが、
今見るとギャグに見えるのはかわいそう。
本作は劇場では観ていません。
よかった・・・
『オープニング』
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