日本暗殺秘録 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます


日本暗殺秘録
1969年(日)中島貞夫監督作品

この作品、
題名でだいぶ損をしていると思う。
もっと適当な題名はなかったものか。
当時の客を呼ぶのがこのセンスだったんでしょうね。

桜田門外の変をはじめとした九つの暗殺(テロ)事件。
明治、大正、昭和と渡る反体制勢力の革命の歴史を、
東映オールスターキャストで描いている。

それぞれの事件がオムニバス形式で流れ、
一つの太い物語となっているわけですが、
本編は千葉真一扮する小沼正が政治結社血盟団に入団(入信)し、
井上準之助を射殺するに至るエピソードにかなりの尺を割いている。

描かれる九つの事件は、
● 桜田門外の変
● 紀尾井坂の変
● 大隈重信遭難事件
● 星亨暗殺事件
● 安田善次郎暗殺事件
● ギロチン社事件
● 血盟団事件
● 相沢事件
● ニ・二六事件

これだけのエピソードを、
東映お得意の実録タッチで描いている。
ほとんどが実名での配役なので、
激動の近代日本史としての価値も充分。

配役も豪華で、
片岡千恵蔵、鶴田浩二、菅原文太、若山富三郎、
藤十郎、高橋長英、里見浩太朗、高倉健、田宮二郎、藤純子、他と、
そうとうたるメンバーです。

テロが起こる背景に共通しているのは、
為政者の退廃、腐敗。
この物語に出てくるテロリストたちは自分の正義だけではなく、
後に残る国民たちの未来を憂いているのである。

血盟団事件を中心に描かれているため、
“南妙法蓮華経”のお題目が少々くどく感じてしまったのは残念。

ちょうどこの作品が製作、公開された世相というのが、
東大紛争、安保闘争、日本赤軍のよど号ハイジャック、
海外ではウッド・ストックコンサートが開かれるなど、
反体制の若者が最も熱かった時代であり、
日本を変えようと本気で考えていた人間には共感を呼んだであろう。

ただ、
ニ・二六事件に代表されるように、
結局国家転覆はかなわない。
この事件により銃殺によって処刑される17人の青年将校らは、
純粋なるがゆえに哀れだ。

ちょっと中だるみがあることを除けば、
たいへん注目に値する作品であるし、
異色作。

ほんのちょっと前の日本の闇歴史を知るのも、
いいんじゃないかと思う。
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