江戸川乱歩の陰獣 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます


『江戸川乱歩の陰獣』
1977年(日)加藤泰監督作品

緋牡丹博徒シリーズでおなじみの加藤泰監督が、
江戸川乱歩原作の探偵小説ものに取り組みました。

人気小説家の寒川は、
実業家小山田の妻で寒川のファンだという小山田静子と知り合う。

彼女は寒川に、
かつての恋人で同じく探偵小説家のペンネーム大江春泥こと平田一郎に私生活を覗かれ、
脅迫状が送られてくると訴える。

脅迫の内容は小山田と静子の殺害も予告されており、
予告通り小山田は隅田川で裸にかつらをつけた状態で水死体で発見される。

次は静子が殺される番だと、
おびえる静子と寒川だったが・・・

謎解きものですから、
ストーリーはこの辺りまでにしておきます。

寒川にあおい輝彦、
静子に香山美子。

脇に若山富三郎、
大友柳太郎、加賀まりこ、野際陽子、
尾藤イサオ、藤岡琢也、菅井きん、
そして花柳幻舟などなかなか豪華。

妖気的な前衛芸術の舞台や、
SM嗜好など、
江戸川乱歩らしいコンテンツが並ぶ。

が、
加藤監督はこういった探偵小説物は苦手のようだ。

原作に倣っているので仕方ないかもしれないが、
最後のトリックの種明かしがうまくない。
悪く言えばアンフェアだ。

暗闇の奈落から、
目が覚めるような赤い舞台に主人公二人がせりあがってくるシーンなど、
画の見せ方は抜群にうまいのに残念。

それぞれの好みに寄るかもしれませんが、
同じ乱歩原作なら、
予算も半分以下の昨日アップした、
屋根裏の散歩者』のほうが好きかな。

香山美子が妖艶。

予告編


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