十代恵子の場合 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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十代恵子の場合
1979年(日) 内藤誠監督作品

僕は森下愛子が好きである。
70年代の無気力な青春物語には欠かせない存在。
そして、
とてもかわいいのに体当たりの演技をするところに、
女優魂を感じ、当時のそこらの気取ったアイドルとは一線を画していた。

その森下愛子が、
最も身体を張ったのがこの作品じゃないかと思う。

学業低下、
家族不和から、
家に戻らなくなり、
ヤクザの情婦に。

ヤクザとの間にできた子供は堕胎させられ、
雪国へ逃避行。

覚せい剤欲しさのため、
トルコ(ソープ)に沈められ、
ついには覚せい剤中毒になってしまうという、
なんとも救いようのない役である。

頑張ってますよ彼女。
愛くるしい表情が、
観客の同情を呼ぶが、
残念ながら監督、脚本の内藤誠氏の、
見せ方がうまくない。

ドキュメンタリータッチが売り物の本作。
あくまでもタッチであって、
ドキュメンタリーではないのだから、
物語に起伏を付けてほしかった。

三浦洋一が下っ端ヤクザ。
風間杜夫が爽やかな古本屋の店員役。

もうちょっと、
大事に撮って欲しかったなあ・・・

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