神様の愛い奴【決定版】 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます


神様の愛い奴
1998年(日)大宮イチ・藤原章監督※(諸説あり)作品

第二次大戦のニューギニアで起きた、
上官による部下射殺事件を追及した奥崎謙三を追ったフェイク・ドキュメンタリー映画、
ゆきゆきて神軍』。
この作品で懲役12年の刑を受けた奥崎が出所してから、
彼のいうところの理想郷ゴットワールド構想につき進んでいく様子を描いた、
これまたフェイク・ドキュメンタリー作品である。

前作『ゆきゆきて神軍』では、
奥崎の演技はどこか滑稽であったものの、
悲壮感があふれていて、
ある評論家は、
「健忘症的日本人に下されたドフトエスキー的鉄槌」とまで絶賛した。

が、12年の刑務所生活で奥崎はすっかりバカになってしまったようである。
神の前では皆平等ということで、
自らを神軍平等兵と名乗る奥崎。

神から与えられた健康法、
「血栓解毒療法」なるものを手をぶらぶらさせながら唱え、
撮影スタッフにもそれを強要する。

なぜかAVのオファーを受け、
よせばいいのにおかまの奴隷役となって、
女王様にいじめられる。

観ていてとても滑稽なのは、
前作と変わらないが、
本作は加えて哀れである。

すっかり腰も曲がってしまい、
耳も遠くなっているのに、
AVの撮影では恍惚の表情を浮かべる。
確かに「性」の前では皆平等だ。
これが言いたかったのか!
が、この情景は実に醜態である。

どこかで拾ってきた金属のわっかを、
指輪として撮影スタッフに渡し、
指輪をしていないと怒る。

怒る時も奥崎は、
自分の演技に酔っているようで、
観ているほうは実に居心地が悪い。

ゆきゆきて神軍』の後日談としては、
あまりにもお粗末で気色の悪い一篇です。

興味のある方のみ、おススメします。

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