アスファルト・ジャングル | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



アスファルト・ジャングル』 原題:The Asphalt Jungle

1950年(米) ジョン・ヒューストン監督作品


これぞ身を乗り出すような面白さ。

刑務所帰りの小悪党が、

資金提供者、運転手、金庫破り、用心棒を雇い、

競馬のノミ屋に宝石強盗を持ちかける。


綿密に練られた計画のもと、

100%成功する手はずだったが、

ある者の裏切りにより、

計画は破たんしていく・・・


やっぱりモノクロ画面はいいですね。

光と影のコントラストで緊迫感が盛り上がる。


曲者ぞろいの悪党の中で、

用心棒を演じるスターリング・ヘイドンが抜群の存在感。

編集の力もあるだろうが、

ガードマンを一発で倒してしまうシーンの鮮やかさ。


次第に聞こえる、

パトカーや救急車の音で不安を煽る。

サスペンスの盛り上げ方もうまい。


ジュークボックスでダンスしている若者。

カメラが窓のほうを向くと、

ブラインド越しに警官が二人覗いている。


重賞を負ったヘイドン。

意識をなくし、

女の運転で病院へ。

女は事故でケガをと取り繕うが、

医者のほうは銃で撃たれた傷であることを見破る。

隠れて警察に通報する医者。

その、ほんのちょっとの隙に再び逃亡。


資金提供者の弁護士の情婦に、

マリリン・モンローが出演。

彼女が画面に現れると、

画面がパッと明るくなる。


お金を数えるだけで汗を流す小悪党や、

子煩悩な金庫破りなど、

各人の性格描写が実によく描けている。

一切の甘さを排除した鋭い視点でだ。


キューブリックの『現金に体を張れ 』と対になる作品だと思う。

どちらもすごい!

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