『カルメン故郷に帰る』
1951年(日) 木下恵介監督作品
国産初の総天然色映画として有名な本作。
東京でストリッパーをしているカルメン(高峰秀子)が、
友人とともに浅間山麓の田舎に里帰りすることによる珍騒動。
カルメンらは、自分たちの踊りを芸術として疑わないが、
村の人々は「裸踊り」ということで、興味津々。
それに目をつけた村の運送屋で有力者の丸十が、
見世物として興行をうつことになり、
チラシをまいて大宣伝。
一方カルメンの父親は、
自分の娘が公衆の面前で踊ることに困惑。
校長先生らとともに、
興業は見に行かず酒を呑む。
村人みんなの注目環視の中、
いよいよ興業は幕をあけるのだが・・・
今の時代じゃ考えられない村の人々の素朴さがいい。
浅間山麓の大自然のもと行われる小学校の運動会が、
村をあげての一大行事。
天真爛漫の高峰秀子はもちろん好演。
陽気でちょっと軽薄なストリッパー役を魅力的に演じてます。
普段の作品ではあまり感情を表に出さない笠智衆が、
この作品では大いに怒り、
背負い投げまで披露している。
黛敏郎の音楽もいい。
とっても画面にあっているんだ。
芸術かワイセツかなんて大声で議論しないのがいいね。
本人たちが芸術のつもりでいても、
理解できない人には興味本位のワイセツなのだから。
それから本作には真の悪人は登場しない。
それが上質の喜劇であることの証明でもある。
とってもいい作品だけど、
テレビなんかで放映すると、
「ピー」音(自主規制)だらけになってしまうんだろうな。
バカげてるね。
国産初の総天然色映画ですが、
今でも画面は鮮やかです。
うん、おススメですね!
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