ねじ式 | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



ねじ式

1998年(日) 石井輝男監督作品


シュールな作風で根強いファンの多い漫画家つげ義春の代表作、

「ねじ式」を石井輝男監督で実写化。


「ねじ式」のほかに「もっきり屋の少女」や「やなぎ屋主人」などのエピソードが入った、

オムニバス風の作品になっている。


結論から言ってしまうと、

『完全なる失敗作』である。


原作の持つシュールさともの悲しさ不条理さの見事なアンサンブルが、

映画版ではぶち壊しで、

エロ趣味のアングラ風映画になり下がっている。


エロ趣味は嫌いではないが、

この原作に対しては失礼でしょう。


売れない貸本漫画家の僕が、

ふとしたことから旅に出ることになり、

いろんな体験をする。


もともと原作は短編で、

それをなんとか無理矢理につなぎ合わせた感が強い。


もともと原作の「ねじ式」は、

夢をヒントに作られたぶっ飛んだ作品であるので、

実写化はやっぱり無理なんだ。


海岸で泳いでいた「僕」が、

メメクラゲに左腕を噛まれ、

奇妙な漁村の中で医者を探し求める物語。


子供が運転する蒸気機関車のシーンは、

原作を知るものにとっては哀しくなったね。

プラレールだもん。


金太郎飴づくりの、

僕の生まれる前の母親に出会う場面は、

清川虹子の雰囲気があっていて、

ここだけはよかったかな。

金太郎飴工場もリアルに再現されていたし。


それから「もっきり屋の少女」を演じたつぐみさんもよかった。


「僕」を男前の浅野忠信が演じたのは無理がある。

ジャイアンツの桑田投手みたいな雰囲気を醸し出さなければいけないのだ。


本作の原作を知らない人がこの作品を観たら、

おそらくまったく意味が分からないだろう。

それが狙いなのか?


オープニングとエピローグの、

ねばねばした男女の乱交はいったい何なんだ???


とにかく原作を愛する者からすると、

「観なければよかった」

と恨み節をこぼしたくなります。


「網走番外地」の楽屋落ち的エピソードにはクスリとしましたけどね。


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