醉いどれ天使 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



醉いどれ天使

1948年(日) 黒澤明監督作品


大監督、黒澤明と、

日本を代表した俳優三船敏郎が初めて組んだ作品。

ギラギラした三船の魅力が爆発しています。


酒好きで無頼漢の医者真田(志村喬)が、

手に拳銃の弾を受けたヤクザ松永(三船敏郎)の手当てをしているとき、

彼の身体が結核に蝕まれていることを察する。


真田は松永に酒をやめて養生するように勧めるが、

松永は気勢を張っていうことを聞かない。


そんなとき、

兄貴分の岡田が出所してきて、

松永の立場は弱くなっていく・・・


メタンガスが浮いて出るドブ池。

むせ返るような煙が立ち込めるキャバレー。

全身をつかって「ジャングル・ブギ」を歌う笠木シズ子。

やっぱり黒澤監督は、状況をシンボリックな映像で見せるのがうまい。


クライマックスでの、

白いペンキにまみれての格闘シーンは今や語り草。

威勢ばかり強い虫けらのようなチンピラのラストがさびしい。


松永が商店街の花を勝手に引き抜く最初の場面、

これが後半、松永の立場が変わったことを見せるあたりも見事な脚本。


音楽の使い方もむちゃくちゃうまい。

ギターの音楽が変わるだけで、兄貴分が出所してきたヒロインの不安を暗示させる。


後半、

病気が進行し苦しみながら闇市を徘徊するシーンに流れる「カッコーワルツ」

なんて皮肉な選曲だろう。


テーマは反暴力。

自暴自棄になって暴力に走ることが、

以下に愚かなことかということを教えてくれる。


言い古された言葉でしか言えませんが、

“傑作”です。

必見!


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