ザ・ロイヤル・テネンバウムズ | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』 原題:The Royal Tenenbaums

2001年(米) ウェス・アンダーソン監督作品


家族のすれ違いはほんの小さなことから始まり、

時間がたてばたつほど軋轢が深くなり修復が難しくなる。


でも、年月を乗り越えてわかりあうことができれば、

これこそ本当に大事にしなければいけないものだと悟る。


テネンバウムズ家の3人の子供はいずれも天才児で、

それぞれ個性を発揮していたが、

20年後それぞれの才能は枯れ果てていた。


そこに別れて暮らしていた父親が、

死期が近いということで別居中の妻のところに舞い戻ってきた。

そして3人の子供たちも昔のように戻ってくるのだが、

3人はそれぞれ問題を抱えており、

妻は、別の男からプロポーズを受けていた。


最初は全員父親との距離をおいていたが、

父親のさりげない助言や行動に、

次第にみんなの心が開いていく・・・


父親役のジーン・ハックマンの演技がとてもいい。

枯れていてそれでいてあったかい。

妻の求婚相手を許す場面など、

思わず胸がジーンとなる。


長女のグゥイネス・パウトローもいい。

彼女は養女なのだが、

気づかぬうちに弟のことを愛している。

その罪悪感からか、

意味のない結婚、離婚を繰り返している。


そして次男のルーク・ウィルソンも姉に恋しており、

これまでの姉の行状を知って自殺未遂を起こしたりする。


父親が孫を手なずけるシーンもいいなあ。


こんなテネンバウムズ家に起こる様々な小悲劇を、

複数のチャプターに分けて物語は進んでいきます。


今、家族が断絶していても、

勇気をだして一つ行動を起こせば、

そのつながりはよろきつく結ばれたものになり、

そして幸せな一生を送ることができるのでしょう。


とてもハートウォーミングな一篇です。

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