明日を夢見て | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



明日を夢見て』 原題:L'uomo delle stelle

1995年(伊) ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品


とても素敵で楽しくって、

ラストでは涙ボロボロだった傑作「ニューシネマ・パラダイス 」のトルナトーレ監督が、

再び映画を題材に作り上げた作品です。


1950年代のイタリア。

ボロのトラックに映像機器と拡声器を載せて、

シチリアの田舎町をオーディションと称して、

金を稼いでいるジョー。


村人たちに「風と共に去りぬ」のセリフを演じさせ、

カメラでその演技を撮る。


スクリーンテストの結果は、

1か月後にローマから通知されると告げて、

次から次へと村人から金をせしめていた。


スクリーンの前の村人たちは、

疑うことなくカメラに向かって語り掛ける。

男も女も、老人も若人も。

そしてそれは、それぞれの人たちの心の叫びとなっていった。


ジョーは、ヴィスコンティやデ・シーカらと知り合いだといい、

業界人だということをアピール。

いつしかジョーは、先生と呼ばれる存在に。


この辺りまではとても微笑ましく、

シチリアの風景とエンリオ・モリコーネの音楽よろしく

とてもいい気分。


しかし、

土地の領主とその夫人を名乗る二人に詐欺にあい、

車や金を奪われるあたりから、

グッと悲劇性が高くなってきて、

作品の性格が全く変わってしまう。


善意の村人たちの心の叫びを裏切ったことは、

想像以上にひどい状況にジョーを追いつめていく。


献身的に自分を愛してくれた女性にも、

悲劇がやってくる。

すべてはジョーが招いたこと。

別れてからジョーは愛した女性と残酷な再会を果たす。

そこまでならないと愛していたことに気が付かない馬鹿な奴です。


映画は、

スクリーンテストした人々を思い出す回想シーンで終わるのですが、

何とも言えないBad End.

邦題のような希望的なところはまったくありません。


どうしてこんな邦題がつくのでしょうか?


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