ウディ・アレンのザ・フロント | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



ウディ・アレンのザ・フロント』 原題:The Front

1976年(米) マーティン・リット監督作品


劇場未公開作品。

邦題に、ウディ・アレンの名前がありますが、

彼の監督作品じゃありません。


また、コメディといっても、

社会派の趣が強く、

1950年代の米国での赤狩りを痛烈に批判、告発した作品です。


アメリカ。

テレビの脚本を書いていた男が、

共産思想のブラック・リストに名前が載ってしまったがために、

テレビ局の仕事を干されて、

失業状態になってしまう。


そこで男は、

喫茶店のレジ打ちの仕事をしているウディ・アレンに、

ウディが書いたことにして(フロント)脚本をテレビ局に持ち込ませる。


この脚本が大当たりとなり、

ウディは人気脚本家としてふるまうことになる。


突然現れた新進脚本家ウディに注目が集まる中、

非米活動委員会は彼の身辺を調査して、

ついには、召喚されてしまう。


査問会で、知っている共産主義の名前を問われるウディだったが・・・


自由の国アメリカにおける赤狩りの恐怖を、

ストレートに描きながらもシリアスになっていないところがいい。

それが故に、余計に恐怖がジワリと盛り上がる。


同じようにブラック・リストに名前を載せられた売れっ子芸人が、

ドザ回りの仕事にまで落ちぶれていき、

ホテルで最後の一杯を飲んだ後、

窓から飛び降り自殺してしまう一幕など、

胸が苦しくなる。


ウディはコメディ演技をしながら、

クライマックスでは感動的なヒロイズムを発揮し、

とてもかっこいい。


ラストのクレジットで、

実際のブラック・リストに掲載された年が映される。


自由の国アメリカ。

こんな時代があったのかと、

驚かずにいられない、

そんな作品です。


おススメします!

ウディ・アレンのザ・フロント [DVD]/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
¥1,523
Amazon.co.jp

読者登録してね