BU・SU | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます




BU・SU
1987年(日) 市川準監督作品

富田靖子は、
この作品や、“アイコ十六歳 ”の頃、
とてもキラキラ輝いていた。

親への反抗心もあって、
田舎から上京してくる麦子。

そこで彼女は学校に行きながら、
鈴女(すずめ)という名前で、芸者修行をすることになる。

このころの麦子は、心のひねくれた、
心のブス。
学校でも級友たちと仲良くなることもなく、
ひとりポツンと座っている。

芸者修行も、順調というわけではなく、
お運びさんという雑用の仕事。
踊りの覚えが悪いことから、
人力車に乗ることを許されず、
人力車の後を追って走って仕事をすることに。

ふと学校をサボって、
見知らぬ街をふらふら。
いろんな人を目にしながら、
自分の存在を考える。

麦子の通う高校のクラス3年B組では、
創立100周年の文化祭の出し物を何にするかで話し合っていたが、
なかなか意見がまとまらない。

麦子が芸者修行中であることを知っている、
悪意のあるクラスメートが、
文化祭の実行委員を麦子に押し付ける。

麦子は、昔母が演じたことのある、
「八百屋お七」を踊ることを決意するのだが・・・

すねたり、ひねくれたり、
素直になったり、意地を張ったり、
十代の少女の心の揺らぎが伝わってくるようでした。

100周年の文化祭の準備に取り掛かる生徒たちの姿、
一生懸命な者、適当な者、
そんな人間が集まってのクラス。
そんなシーンに、とてもノスタルジィを感じた。

大人になった今ではどうってことのない出来事も、
この世代の少女にとっては大事件。

そんないろんなことや、
大人の世界をチラリの覗き見る事で、
心のブスだった麦子は自立していく。

そんな過去の自分と決別するシーンが、
だれもいないキャンプファイヤーを、
燃やしてしまうシーンだろう。
とてもいいシーンだ。

富田靖子。
最近、姿を見ることが少なくなったなあ。
大人になった彼女の演技を見てみたい。

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