スライディング・ドア | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます




スライディングドア』 原題:Slidinng Doors
1997年度(米=英) ピーター・ホーウィット監督作品

おかしくて切なくてうれしくてあたたかくて、
そんないい気分にさせてくれる一編です。

会社をクビになったキャリア・ウーマンのヘレン(グゥイネス・パルとロー)。
会社からの帰り地下鉄に乗ろうとするが、目前でドアが閉まり、
乗り損なってしまう。

場面が巻き戻され、
地下鉄に無事に乗ることができたヘレン。

この二人のヘレンが、
編集の腕前よろしく、同時進行で進んでいく。

片や、同棲相手のボーイフレンドの浮気の現場を目撃してしまうヘレンと、
地下鉄に乗り損ね、タクシーに乗ろうとしたところをひったくりにあってしまうヘレン。
グゥイネス・パルトローの好演で、とても魅力的です。

ウディ・アレンが撮りそうな作品だなと思って観ていると、
ウディの早口を真似ているようなシーンが出てきてニコニコ。
「ウディ・アレンの真似をしているの?」だって。
ほかにも、モンティ・パイソンの台詞を引用していたりと、
映画ファンならうれしくなってくるでしょう。

どういう風に話を終わらせるのだろうと観ていたら、
これまた見事なエンディング。
ヘレンは一回り強くなります。

月の夜のボートでのデートも、
とてもロマンティックだし、
雨の中の告白シーンもとってもいいです。
素敵な場面をあげていったらきりがないくらい。

もしあのときこうだったらという作品は、
タイムトラベルものを含めていろいろありますが、
この作品のように同時進行で二つの話がうまく続いていく作品は珍しいと思います。
へたくそな監督だったら、
何がなんだかわからなくなってしまうでしょう。
お見事です。

才気あふれるタッチ。
大満足です!

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