『バルカン超特急』 原題:The Lady Vanishes
1938年度(英) アルフレッド・ヒッチコック監督作品。
今日のヒッチコックは、英国時代の最高傑作とも評される作品。
「バルカン超特急」です。
これは、制作が1938年で政治的な背景もあり日本で公開されたのは、
ようやく1976年になってからでした。
架空の国とは言え、背景には明らかにナチス・ドイツの影が透けて見えます。
ただ、作品自体はそんなに深刻がって観る必要はなく、
誰にでも楽しめるワクワクドキドキハラハラニコニコのヒッチ・テイスト満点の仕上がりになっています。
東ヨーロッパのパンドリカという国から、
英国へ帰国する列車の中で、アイリスはフロイという老婦人と知り合いになる。
アイリスは、この列車に乗る前に頭を強打しており、
意識が朦朧としていた。
幾分かの酩酊状態の後目を覚ますと、
向かいに座っていたはずのフロイが消えていた。
列車の乗客誰もが、そんな老婦人は初めから乗っていなかったという。
「そんなバカな、一緒に食堂車に行きお茶を飲んだはず」
列車の中には医師も同乗しており、
頭を強く打ったために、何かの記憶違いをしているのだという。
アイリスはいなくなった老婦人を探すことにするが、
それは国家間の巨大な陰謀に巻き込まれていくことになるのだった・・・
みんな怪しいなあ^^
いやあ、よくできてます。
超特急といっても蒸気機関車だから、
窓が開くところがポイントですね。
今の新幹線じゃ、このストーリーとトリックは成り立ちませんからね。
最初はほかの乗客と同じように、
老婦人の存在を否定していた乗客のギルバートが、
老婦人がいるかもしれないと直感するショットは見事。
ほんの数秒のショットと伏線が、
後に重要なポイントになっていくのですから、
ほんとにヒッチコック映画は目を離せませんよね。
それから、ヒッチコック作品にしては、
結構派手なアクションや殺される人間が多数出てくるのが異色かな。
面白さは満点。
これもまた、オススメですよ。
この作品のストーリー、登場人物がほとんど同じのリメイク作品、
「レディ・バニッシュ暗号を唄う女」が1979年に制作されていて、
こちらもなかなかいいですよ^^
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