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『ヒミズ』
2012年(日)園 子温監督作品
コミックが原作とのこと。
また、小説版もあるということなのですが、どちらも未読です。
不勉強で申し訳ありません。
東日本大震災に直面した同監督が、シナリオを大幅に書き直し、
震災後の被災地に舞台を移した本作。
絶望的な心理状態の主人公を強烈にシンボライズしています。
園監督の描く社会は、決定的に家族関係が崩壊しているが、
本作もそう。
周りからはわからない。
両親に見離され、ついには父親を殺害してしまう主人公住田。
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その後、この世から悪を消すために街を徘徊する。
そんな住田を想い、父親殺しの自主を勧める茶沢。
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住田の周りに集まる心優しき人々。
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いつもの園監督作品のように、画面から飛び出してくるような血の場面はない。
その代わり、この作品に象徴的に使われるのが泥。
津波にのみこまれた東北の街を表現しようとしたのでしょう。
「普通」であることがどんなに幸せなことかを感じさせてくれる作品はそうはない。
この作品は、絶望的な状況に置かれた登場人物らが「普通」を求めてもがいている。
「普通」であることの上に胡坐をかき、世間をなめている人間に、
この作品は容赦なく制裁を下す。
やりかたは間違っているかもしれない。
しかし、やはり「普通」に感謝しないのが間違っているのです。
「普通をなめるな、普通サイコー」。
住田と茶沢の関係は、照れくさくなるほど甘酸っぱい。
茶沢のポケットに入っている「恨みの石」。
部屋いっぱいに貼られている「住田語録」。
どれもこれも切ない記憶を思い出させるノスタルジィだ。
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「住田がんばれ!がんばれ住田」
このすばらしいラストシーンでは、思わず涙が出た。
それはそのまま東北の人々に対するエールとなっている。
いい作品です。
お勧めします!!
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