ロブ・マーシャル監督が「シカゴ」(’02)の次に作り上げた意欲作。
フェデリコ・フェリーニ監督の8 1/2をベースとし、ブロードウェイで大ヒットした同舞台劇の映画化。
『NINE』
新作映画の準備が着々とすすんでいく。
監督は誰もが認める大監督グイド・コンティーニ。
キャスティングが決まり、衣装も決まり、セットも順調に出来上がっていく中、
監督グイドの顔色は冴えない。
なんと自身の手による脚本が一行も書けていないのだ!
湧き出る泉の水の如く、次々と湧いてきていた彼のアイディアが突如として出なくなってしまった。
苦悩する天才グイド。
何一つ解決策は浮かばない。
全世界に向けた新作映画の記者会見の時間は迫る。
こうなった時に考えることは一つ。
「現実から逃避すること」
彼の人生に最も大きな影響を与えたのは、女性たち。
彼は現在、過去、それぞれに安らぎを与えてくれた女性のもとに逃避していく・・・・
と、あらすじはこんな感じでしょうか。
なかなかに華やかで、出てくる女優たちの魅力も大。
妻のマリオン・コティヤール、愛人ペネロペ・クルス、
記者ケイト・ハドソン、女優ニコール・キッドマン、
衣装係のジュディ・ランチ、性の目覚めを感じさせてくれた女娼ファーギー、
そしてママ、ソフィア・ローレン。
好演ぞろいの女優さん達の中で、僕はペネロペ・クルスが一番印象に残りました。
ちょっと影のある微笑みと大胆な衣装が素敵でした。
一方、苦悩する映画監督グイド役は、ダニエル・デイ-ルイス。
これだけの女優さんに囲まれたら、さすがの彼も霞んでしまうのも仕方がないでしょう。
苦悩からの解放というテーマは、オリジナルであるフェリーニ作品と同じ。
ファーギー演じるサラギーナが少年たちと出会うシーンは、フェリーに作品へのオマージュです。
しかし、こちらは流石にハリウッド、華やかです。
ただ、芳醇なイメージの連鎖で鮮やかに主人公の苦悩を描いたフェリーニ作品の方が僕は好き。
まあ、比べるのが酷だというのはよくわかっているんですがね。
グイドもやっぱりマルチェロ・マストロヤンニが渋くていい。
NINEがつまらなかったわけではないんですけど、見終わったあとの感想は、
「81/2」はやっぱりすごかったなあ・・・ということでした。
がちゃん
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