じっとしていても、汗がにじみ出てくるようなそんな夏の午後。
雰囲気に浸れる映画です。
実話ベースの犯罪ドラマです。
1974年度(米)
シドニー・ルメット監督作品。
『狼たちの午後』
ニューヨーク・ブルックリン。
真夏の午後、三人の男が閉店間際の銀行に押し込む。
そのうち一人は怖気づいて逃げ出してしまうが、
主犯のソニー(アル・パチーノ)とサル(ジョン・カザール)は行員を人質に、
銀行に立てこもる。
ソニーはどことなくとボケた感じ。
一方のサルは残忍な雰囲気を漂わせている。
強盗計画は順調に進んでいるように見えたが、
肝心の金はもう運び出された後。
そして、通報により200人もの警官とFBIが駆けつけて、
銀行を包囲する。
外での緊迫感をよそに、銀行の中ではソニーのソフトなムードに安心して、
女子行員などはのんびりムード。
ソニーの要求は、「女房を呼べ」。
ただ、太った女房は全く関心なく、呼ばれたのはなんと男。
実はソニーは同性愛者で銀行強盗の目的は、この男の性転換の費用を稼ぐ事にあったのである。
これに呼応したホモ・グループがプラカードで応援を始めたり、
部長刑事との対応に共感した群集は、ソニーを英雄扱いに祀り上げる。
こうして、警官隊と、ソニーたちの真夏の長い長い持久戦が続くのであった・・・
群集たちの描写が鮮やかで、自然とソニーたちを応援したくなる雰囲気になっていきますし、
真夏の暑苦しい雰囲気の醸成も見事。
ルメット監督は、このジリジリした展開の映画に巧みにギャグを入れて観客達をほぐすことに成功しています。
そして、私はジョン・カザールの隠れファンなのでこの映画には大いに満足!
未見の方は観たほうがいいですよ。
お勧めです!
がちゃん
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